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思考の補助線

茂木健一郎
PHP新書
お勧め指数 □□■■■ (2)
購入店 八重洲ブックセンター

 エッセイをまとめたものである。茂木健一郎が売れはじめてから出版されているので、最近のエッセイかと思っていたが、内容はすこし4,5年前くらいのものだろう。どちらかというと「めんどうくさい」タイプのエッセイ。哲学というか思想というか、そういう読者に向けての文章である。内容が高度かというと、とくにそんなことはない。扱っているテーマは茂木健一郎自身だから、難しくなりようがない。いつになく、面倒な口調なのでめんくらってしまう。連載された場所が知識人が好んで読む硬派なものなのだろう。
 要するに面白くない。お笑いを求めているわけではないが、この内容は自分の内部にしか目が向けられていないので、読んでいて距離がある。そして、意味が分からない箇所が多い。
 例えば、「自分一人で世界を引き受ける」という言葉が語られている。若い頃の茂木健一郎の目的だったのだろう。大きな気概が感じられる表現である。しかし、ぼくにはその意味がわからない。世界を引き受けるとは何をいっているのだろう。本人は文系や理系といった区別なくどのような分野も自分で考えられるようにしたいと言っているようだ。要するに理解したいということ。しかしだ。それが「世界を引き受ける」ということなのだろうか。そもそも、一人で世界をなんとかしようというのは愚かなことであろうし、それくらい茂木健一郎ならば分かっていたはずだ。だから別の意味なのだろうけど、ぼくにはわからない。
 最近にはあまり見かけない、分かりやすく言えば自己陶酔の中にある文章である。茂木健一郎のシンパならば喜んで読むのかもしれないが、普通の人は「結構です」だろう。売れれば何でもいいという出版社ならばともかく、PHPがやる事ではない。
 ただし、この本をそう評価をするのは単にぼくがバカなだけかもしれない。少なくとも著者や編集者はそう主張するだろう。もしそうならば、意味不明な箇所がふんだんにあるので、質問する機会があるといいな。

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