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情報革命バブルの崩壊

山本一郎
文春新書
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 amazon.co.jp

 斬込み隊長の新しい本がでた。早速購入。すごい。相変わらず身も蓋もないことを一気にしゃべり倒している。実際に投資で身を立てている人の視点。マスコミが伝える「物語」とはちがう世界がリアルに見えてくる。なんだかんだ言っても机上の空論でしかない大学の諸先生方、煽る事で儲けている評論家の人たちから素人のぼくが学ぶのはむずかしいだろう。ノイズと情報が分離できないのだな。もっとも、斬込隊長の本だって、表現や比喩は個性が強いので、そういうところには惑わされないよう気をつける必要はあるが。
 前作の中国経済についての新書では、文章がするすると頭に入ってきた。それも笑い付きで。ところが今回の本はちがう。一行一行頭に入れる前に考えないといけない。なにが違うんだろうかと考えたのだが、はっきりしない。文体によるものか、比喩によるものか、あるいはテーマによるものか、それら全部によるものか。実際問題、前作のような読みやすさはない。おもしろい比喩やちゃかしは随所にあるから、きっと内容のせいであろう。ともかく、読み通すのに前作と比較して1.5倍くらいの時間がかかった。
 
 新聞を購読する理由がわからない。ぼくは新聞をすべて読み通すことは新聞が配達されていた自分から無かった。だからWEBに上がっている記事程度で十分に間に合っている。新聞紙を使う機会もほとんどないので、自宅では新聞をとる理由がない。もう10年くらい前に止めてそのままだ。そういう人は結構多いだろう。通勤電車で新聞を読んでいる人はそれなりに見かけるが、以前と比較すれば激減しているのではないだろうか。
 新聞を売る事が基本収入である新聞社がいつまでこの家業をつづけられるのだろう。WEBは広告と記事で人を惹きつけているが、広告に集金力があまりないことがだんだんはっきりしてきたそうで、遅かれ早かれこの手の無料記事は消えてなくなるだろう。今のWEBには無料のコンテンツが多いが、それらは最終的には広告が支えてくれている。しかし、あまり広告に力がいことがバレてくれば、WEBもそのうち有料のものが増えてきて、ある意味適切な状態に落ちるだろう。そんなことが書いてあった。
 ちょっと不思議な気がする。インターネットの収入源は広告だそうだ。テレビも広告収入が基本である。広告にはそんなに効果があるのだろうか。ずいぶんと基本に立ち返ってしまう。
 インターネット以前、広告の効果は推測でしかない。影響力があるのは確かだが、だからといって過剰評価しすぎな気がする。みんなが同じテレビを見るような時代なら広告の効果も大きいだろうが、今では一つ一つの広告の効果はあまり多くないのではないか。インターネットの広告を見て商品を買った経験はない。いつもはいろいろな「評判」をもとに候補をしぼる。通販ならば何件かサイトを当たって候補をしぼり、安くて信頼できそうなところで購入する。広告などはみない。
 もっともブログや評価サイトなどには商品販売のための工作員がいるだろうが、少し時間をかけて評判をさぐればその手のものは見透かせる。だから、広告の効果はテレビ程ではないだろう。
 インターネットはマルチメディアのコンテンスを配信できるが、実際それを受信して利用する人はどのくらいいるか。例えば、サイトに音楽を入れることはほとんどない。音楽入りのページは意味迷惑だ。人の印象を決める要素のうち音は大きい比重を示すはずだが、それが使えていないのだ。こんな感じでは、思ったほどの広告効果がでないはずだ。

 この本を読んで、今までうすうす感じていたことが意識に登るようになった。ネット販売や広告、ネットの未来などの物語は結構ウソで化粧されているようだ。
 インターネット一つとってもマスコミの解説はなんだかおかしいみたい。もちろん、この本もマスコミの一部である。が、本が爆発的に売れても数万から数十万部だろうから、テレビに比べるとインパクトはない。だから、そもそもまともな解説が本で展開されるのだろう。まともさは「面白さ」にかけるから、マスコミの中心軸にくることはない。考えるための材料収集はマイナーなところでやったほうがいいようだ。

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