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レキシントンの幽霊

村上春樹
文春文庫
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 八重洲ブックセンター

 年末になると大型書店にはお休み期間中に読むといいですよ、という本を平済みにしたコーナーがあらわれる。たいていはミステリー本が「このミスがすごい」と一緒にならぶ。夏休みに勧める本があるように、冬休みに勧められる本もあるのだろう。そういう本としてこの本は平積みされていた。
 村上春樹の作品を読んでいると寂寥感がすごい。なんでこんなに乾いた、そして寂寥感を表現できるのだろうかと感心する。著者はいつもこんな気持ちで過ごしているのだろうか。作家だから読者に感情を引き起こさせるのが仕事であり、村上春樹はその方面が得意ということなのだろうけど、それにしても毎回感心する。そして、その寂寥感はクセになる。
 ところがこの本にはそれがない。短編だからかもしれないが、なんだか普通の短編集になっている。村上春樹はこういう「ふつう」作品もあるんだ。熱心な読者ではないぼくには発見であった。
 ではこの本は面白いのか。ひとつであった。というのは、普通の本であればなにも村上春樹を読む必要がないから。ぼくは、寂寥感満載の「ぼく」という主人公やお話を聴く事がすきな女の人がでてこないと、どうものれない。

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