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いたこニーチェ

適菜収
飛鳥新社
お勧め指数 □□□□■ (4)
購入店 八重洲ブックセンター

 哲学ファンタジーとでもいうものか。歴史上の人物が現代に蘇り、現代社会で生活を楽しむというストーリはいくつか読んだことがある。それがどんな人であれ、先端的な電気機器を楽しそうに使って喜ぶ姿が描写され、愉快なものが多かったが、この本もその系統にある。
 この本ではニーチェが現代社会に登場する。ただし登場の仕方がちょっと面白い。恐山のいたこを使うところが笑えてしまう。この本の表紙のイラストはインパクトがあってよい。ぼくはこの表紙が気に入って買ってしまったくらいだ。
 内容は『キリスト教は邪教です』の補足・解説を普通の人の生活の中でニーチェに語らせるというものだ。キリスト教の価値観のうち、知らず知らず普通の日本人の価値観にしみ込んだものを取り上げ、具体的な事例を使って説明しようという試みである。面白いし、なおかつ分かりやすい。なんだニーチェってそんなことを言っていたのか。これが現代日本の普通の人の生活目線で分かる。
 過去の人の学業の蓄積を人々に役立てるには、こういう形での「翻訳家」が必要なんだなと実感する。

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