キリスト教は邪教です
ニーチェの本を読んだのは実に久しぶりで、二十年ぶりくらいだろう。さすがに、この翻訳ならばすんなりと読み通せる。本文中に不明な言葉などないので丸ごと分かった感がある。言わんとしたことがわかった。なんだ、そんなことを言っていたのか。いいやつじゃんかよ、ニーチェ。そう言いたいくらいである。 キリスト教がローマ世界を飲み込んでいく様子は、塩野七生さんの『キリスト教の勝利』に詳しい。蛮族の存在と生活の不安、とくに農業ができなくなり都市へ逃げ込んだ人の不安がキリスト教をコアとして吸い上げ固まっていく様は、どの時代どこの人々に起きてもおかしくはない。初期リスト教の布教者がどうやって人々の心を捕らえていったのかを知れば、宗教としてキリスト教を見る目は違ってくるはずだ。 ぼくはスノッブぶるつもりないので、ニーチェはこう言った、などと口にすることはない。普通の人ならばそうだろう。だけど、だから関係ない、ということにはならない。学者じゃないのだから、人々に分からせたいのならば、分からせるように話す必要がある。この本のように、こういう態度で翻訳を試みたのは素晴らしいことだ。もっと、難解だからという理由で敬遠されている本もこんな形で再再出版されるといいのに。 |
