プリンセス・トヨトミ
読みはじめてすぐに背筋がゾクゾクした。会計検査院の話で、こんなにワクワクさせるストーリーが作り出せるのか。しかも、これは経済小説ではない。万城目学さんの小説だから、どこまでも明るいとぼけた話になるはずだろう。シリアス小説にはならないはず。一体どういうふうに話を着地させるのか。 まず、現実的どうこうというより、心情的にはありえる話だ。阪神タイガース好きをみてもそうだ。ちょうど先日、道頓堀に投げ込まれたカーネルサンダースの人形が見つかったということでニュースになっていたが、大阪の人の行動は東京の人からみると、奇異である。日本語もかなり違うし。正直違和感を感じる。となると、この本の世界は、心情的には現実なのかもしれない。 ホルモーは映画化し、鹿男は人気ドラマになった。ならばこの話も実写化の動きがあるかもしれない。しかし、これはちょっと難しいのではないかと思う。というのは、実写にしちゃうと、この話の面白さが消し飛んでしまうかからだ。実写の目的には「映像によって、話を現実のことか思わせること」という側面がある。これは本当のことか、と思わせるようにセットを作ったりする。ところが、この話でそれをやるとなんだかおかしなことになる。現実ではないという約束のもとで話を展開しているから、現実にしてしまうと面白さがなくなってしまうような気がする。うまく説明できないのだけど。 |
