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スプリット

カルメンマキ+甲野 善紀+名越 康文
新曜社
お勧め指数 □□□□■ (4)
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 甲野善紀さんは素直な人だなぁと思う。歌手のカルメン・マキさんの歌に感動し、カルメン・マキさんが昔精神科医に興味をもっていたということから名越康文さんを誘って鼎談を企画し、それを本にまで仕上げている。出会いと気づき、そしてそれを本にまとめるという行動がつながっている。本来であれば、出版社が企画していくようなものを、ご自身で企画され実行に移している。何よりも、甲野善紀さんは武術家なのだから、本筋とは関係がないと思われそうなことをせっせとやっている。
 こういう一連の作業を職業という枠で考えると、この行動の意味がわからなくなる。しかし、甲野善紀さんは人生を賭けてある疑問について身体をつかって探究しているのだと知れば、行動の意味が見えてくる。武術家になることが目的ではないのだから、武術を関係なさこうなことを平気でやるわけだ。いわゆる普通の武道家とは違う。武術家のするべきことなどちう発想とは関係なく行動するのが自然なのだと頷ける。そういう生き方は、どのような人にも学べるところがあると思うのだが、ただ、ほとんどの人はそうする価値を見出せないかもしれない。
 鼎談のなかでは音楽の話が盛んにでてくる。カルメン・マキさんのお勧めの音楽などについて、甲野善紀さんも盛んにいろいろ発言されるが、ずいぶんと音楽を聞き込んでいるようである。ぼくなどはその一つとして知らない。ぼくが住んでいる世界は相当狭いようだ。とはいえ、もうこれで行くよりないなとも思っている。
 まったく月並みな感想だけど、生きていることをよく自覚しながら、日々を工夫していくような生活があれば、それは相当幸せなことなんだろうと思う。ただ、会社に言って給料もらって、パワーゲームに参加してというだけではないものがあるから。

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