なんでまたここでアメリカ論など出版するんだろう。そう思って手に取った。
読んだところ、なんだか勢いがある。書き下ろし部分はほぼ一気に書き上げたのではないだろうか。何かの雑誌記事をまとめたというよりも、どうしても言っておきたかったことを書いたように思える。大前研一さんだからなのか、ですらなのか、ブッシュのアメリカやAIGのボーナス持ち逃げのようなアメリカが許せないのだろう。大前研一さんの目から見ても、今のアメリカはそうとうおかしなものになっているようだ。
とはいえ、記述方法はいつもの分析と考察という論理思考をつかったアウトプットで、ある種の見本のようなものである。一般向けの本だから、内容は平易な語彙でとどまるようにしてあり、概念からして複雑な説明が必要になるようなものは記載していない。なんとしてでも日本の普通の人に聴いてもらいかったことが書かれているのだろう。本格的な主張は英語で書くはずだ。
ただし、ごく普通の人がこの本を読んだとしても、どんな行動がおこせるのかといえば、それはほとんどないだろう。著者も行動などを期待していないのだろうし。なんとういか、ある種のアメリカに対する祈りのようなものだろう。