養老孟司の旅する脳
JALの車内誌に連載されていたエッセイがまとめられた本である。結構長いこと続いていたようだ。さすがJALともなれば車内誌に養老孟司が登場するのかと感心する。 養老孟司さんのエッセイを何冊も読んでいくうちに、これまでの来歴を何となく知ってしまう。家族のことから、学生時代のこと、就職して教員になり、退職していろんな活動をしはじめるところなど、特に憶えようとしないのに憶えてしまっている。だから、このエッセイを読むと既に知っていることが語られているところに出会う。ただ、そのトピックが挿入されている文脈は色々なので、もう知っているよ、と思うことはない。語れている内容そのものよりも、なぜそのトピックがそこで登場するのか、その繋がりを読んでいるから、それはそれで面白いのだ。文章を楽しむというレベルではなく、文脈を楽しむ読書になっているのかもしれない。たくさん本を読む効用が、こういう現れ方をしているのかもしれない。 養老孟司さんの本を読むようになり、養老孟司さんの対談だの書評だのを読むうちに、気づけば茂木健一郎さん、内田樹さん、池田清彦さん、甲野善紀さんなどの本もよく読むようになった。どの人の本も同じように楽しめる。彼らは現実の世界でも中がいいのだろうと思う。 もう何冊読んだのだろうか、と思う。でも、新刊がでたらまた買ってしまうだろう。本屋さんにとってはちょろい客になってしまっている。 |
