小説の読み方
前作『スロー・リーディング』はとても良い本だった。読んだ本の冊数を増やすことに気を取られていたぼくには、目から鱗の本だった。本を読むとはどういうことか、今の読み方で何を見落としているのか。こういったことを教えてくれた。著者には感謝している。 次の考え方がこの本で一番印象に残った。どんな小説でも「メカニズム、発達、機能、進化」の四つの点にしぼって考えればいい。メカニズムと発達は、個人を対象として注目するべきことで、機能や進化は個人が集まった社会や集団を考えるときに着目するべき指標だというのだ。そして、メカニズムと機能、発達と進化は対象が違うだけで、やっていることは同じなのだと。 そんなことをうれしく思いながらこの本を読んでいたら、あっさり読み終えてしまった。ただし、それは必ずしも「良かった」と言う意味ではない。ぼくは、「四つの着眼点」以上に面白い箇所が見当たらなかった。だから、この本の評価は微妙である。 |
