たいした問題じゃないが
英語の長文読解で読んだようなエッセイを再編した小冊である。岩波文庫の新刊だけど、中身は100年前のもの。いいものは長生きするのだ。それも、ただ長生きするのではなく、それを初めて読んだ人の喫緊の問題がその本で扱われていたりする。今読んでも新鮮とは、単に自分が不勉強だと言うのと同時に、時代が違っても、多くの人が抱えている変わらない問題を扱っているということだ。 この本の内容は難しくない。Oヘンリの短編は小説で、この本はエッセイなのだが、おなじような印象を受ける。日々の生活で「そうそう、そういうことあるよ」ということが話の発端になっている。高所から訓示を垂れる本ではない。だから寝っころがって読んでもいい。
母国語の人はこういうエッセイをどのくらい読むのだろう。中学高校の教科書に載っているのだろうか。決めの文句などは、だれでも口ずさめるのだろうか。日本で言えば小林秀雄や加藤周一のようなものか。いや、難しい内容ではないから、新聞のエッセイなのだろう。日本語で描かれた新聞のエッセイに、こういう読み物はあるんだろうか。
岩波文庫はさすが、というのが感想である。 |
