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ハプスブルグ歴史物語

倉田稔
NHKブックス
お勧め指数 □□■■■ (2)

 ハプスブルグについて調べている。難しい本や事実の羅列だけの本はなかなか読み通せないので、入門書であり記述に一定の視点があるものを探している。

 読む前にどうやってそういう内容の本を探すのか。ハプスブルグについてよく知っている友人はいないので、インターネットでの評判か、過去読んだ本のうち面白いと思ったものの巻末にある参考文献をみて探すよりない。アマゾンで「ハプスブルグ」で検索し、その評価をみて選んだ一冊としてこの本がある。

 歴史書を書くには、人に着目する、時間順に出来事を書く、地政学的に成り行きを解釈するという方法が挙げられる。世界史に場合、地政学的な視点が欲しい。なぜそんなことが起きたのか。この疑問について最終的な回答の骨子は環境適応になるであろうとぼくは思っている。

 ハプスブルグは歴史の一とピックにすぎなくとも、そんな構成は可能であろう。「それはなぜか、どのようにして実現されたのか。」こういった問いを感じない歴史の本は面白くない。同一のテーマを扱ったらでてくるであろう安直さはこの本にはない。しかし、テーマは同じだから仕方ないが、どの本でも書いてあるようなことばかり書いてあるような気がする。

 読んでいるときに気をつけたことは、著者はどいうところに立って何を知りたがって、結局何を知り得たのか、である。ただ、この本ではそれが今一つはっきりしていない。その意味で実はあまり良い本とは思えなかった。NHKブックスには良い本が多いと思うが、最近の新書と同様に玉石混合になってきたのかもしれない。選書にもおいそれと手が出せない。NHKブックスだからということで購入したが、なかなか厳しい時代になったものである。