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遺跡の旅


学研
お勧め指数 □□□■■ (3)
購入店 波多野書店


 恩田陸さんの『メガロマニア』を読んでいたときに、昔HNKで放映されていた「未来への遺産」という番組について言及されていたのを読み、早速そのDVDをアマゾンで注文した。ぼくが幼児だったときに放映されていたものだから当然見たことがない。ただし、番組を見ているとスタッフにはぼくが学生のときに繰り返し見た司馬遼太郎さんの明治時代の話を番組したNHK特集での人と同じだったようで、ぐぐっと興味が湧いた。何かの縁があるようだと。
 未来への遺産全六巻のDVDを大切に見ているのだが、最近神田の古本屋で物色しているときに、ぼくの目の前に「未来への遺産の姉妹編」というこの本がそろい組で置かれいたのに目に入り驚いた。この神田神保町には色々な人が本を物色しているだろうが、DVDで「未来への遺産」を見ている最中の人がこの本を手にすることなど僕以外にはあり得ないだろう。そう思って、ちょっと高かったけど購入し、ぱらぱらと見てみると(購入前はヒモで縛って合ったので中は見れなかった)、なんと森本哲郎さんの対談がどの本にもあるではないか!! ふふふ、自分の引きの強さを感じながら一気読みをした。

 内容は、正直なところこれといって「新しい」というところはない。どころか、70年代の本なのだからむしろ古いようなところもあるだろう。ぼくは専門家でもマニアでもないので、これといって「この情報は間違っている」というところは見極められなかった。ただ、取材場所は2度の湾岸戦争の後の現在からみれば、危なくていけないところが増えたのだろうというものばかりで、あぁ行って見たなぁというため息ができることばかりであった。
 そして、ぼくが幸せな気分で読んだ森本哲郎さんと吉田直哉さんの対談。これも、すでにエッセイで読んだものの採話となるものが多いので、昔のように感動するようなものはないのだが、ただし聞きなれた曲をしみじみと聴くというような味わいを楽しむがごとく、どの話も楽しく読めてしまった。写真も古いのだよなぁ。

 こんな具合でこの本を読み、そして「未来への遺産」のDVDを見る。まったくもって、ぼくは一体いつを生きているのだろうかと思ってしまう。ちょうど自分の父親がそうしていたかもしれないのだよなぁと考えてしまう。題材が古代遺跡だから、数年、数十年経ったからといって何が変わるわけでもない。新しいとか古いとかあまり関係がない。ただ、昔の人の「工夫」に関心し、ぼくがその時代にいたらどうやっていただろうか、という想像を楽しむだけである。
 こういう行為を嫁さんは好奇な目でみることはない。最初は戸惑っていたが、今は「無害で安上がりな趣味」だと理解してくれているので、むしろ積極的に付き合ってくれる。とはいっても、DVD見ながら読んでウツラウツラしてるのだけど・・・。