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日本にある世界の名画入門

赤瀬川原平
知恵の森文庫
お勧め指数 □□□■■ (3)
購入店 ブリジストン美術館

 八重洲にあるブリジストン美術館によく行く。年間パスポートがお得で、ほぼ毎週末立ち寄っている。喫茶店でお茶を飲むのと同じ感覚で絵を眺める。コローやモネの絵は眺めるだけで気分が楽になる。ルオーの絵は不思議な魅力がある。これといって何をすることもない休日の過ごした方としては最も気に入っている方法である。

 この本はブリジストン美術館で購入した。ぼくは美術愛好家ではないので、全国を渡り歩こうという思いはない。それでも数は少ないとはいえ、過去何度か出張したおりに各地の美術館に立ち寄った経験はあり、良い絵は意外なところにあったすることを知っている。へぇ、こんな絵があるんだ。そんな驚きは意外に面白いものである。箱物の一部としてバブル期に購入しまくったのだろう。この本は、そんな美術館にある絵をピックアップした紹介の本である。

 どのように絵を見るともっと楽しくなれるのだろうか。普通の人はその方法を知らない。ぼくもそう。そもそもそんな方法があるのだろうか。書名よりも著者を見てこの本を手にとった。赤瀬川原平さんならば教えてくれるかも知れないなと思ったのだ。

 ざっと読んでみた。赤瀬川原平さんがどうしてこの本で紹介される絵を好きになったのかについて教えてくれる。絵画の知識や技術を理由とせず、かといって理解不明な感覚にたよるわけでもない説明。なんとか普通の人が理解できそうな、絵の中での注目点を提示するという方法である。とはいえ、果たしてそれが成功しているのかといわれると、もうひとつの感がある。少なくともこの本を読んだことが理由でこれらの絵に興味を持つということはないのであろう。

 絵画の紹介。赤瀬川原平さんですら成功しない試みならば、おそらく不可能なことなのかもしれない。絵をみて、それをどう面白いと思うのか。そんなのは自分で考えるか感じるかしかない。感じ方にまで「正解」があると勘違いしてしまうところに問題があるわけだ。

 紅茶の観賞の仕方などあるわけない。あったとしても人によりまちまちで、多くの人が納得するものはないだろう。ある人が推薦する方法を他の人は絶対にやってはいけない方法とするかもしれない。人によって似ているところもあるが、正反対のところもある。ならば、方法というものが人から離れて存在するはずはない。良いも悪いもそれは方法にたする評価ではなく、人の感じ方の説明でしかないわけである。

 絵をどう見たらいいか。それも同じ。知識をつかって解析してもダメということは確かに思える。たくさんの絵を見ないとまとまった意見なり評価なりをするのは難しいだろうというところも同じ。