45分でわかる! 新型インフルエンザの基礎知識
新型インフルエンザについて基本的なことを知っておきたいと感じていたときにアマゾンでこの本の広告が目に入った。著者は「優しく解説すること」に人生を賭けていそうな人だし、そもそもからして「偏りのないような」配慮をたたき込まれたであろう人である。読んでおいて損はないだろう。 手にして驚いた。まず本が薄い。フォントが大きい。そして、要らないものがないような配慮がなされている。それでいて高齢者向けの本や子供向けの本にありがちなレベルの低さはない。内容は「平均的な日本人」と期待できそうな人たちに向けに設定されているようである。役所が作るような「ちょっとおれらをバカにしすぎてないかい?」といいたくなるほどまで情報を加工したり落としたりしていない。普通の人ならば読んでいれば発見があるだろう。なんだ、それって無意味だったのか、というような。「解説書」というものはこのレベルを保ちたいものである。 H5N1というインフルエンザのタイプ表示の解説がよかった。鳥インフルエンザのときにニュースに盛んに登場していた言葉だが、その意味についてこの本では完結に解説されていて、なんだそうなのかと知ったのである。Aソ連型や香港型といった、従来から耳にしたインフルエンザ、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザについての整理が頭の中でできた。だからインフルエンザについては従来以上にさっぱりとした気分になれる。もう、変に怖がることなどないであろう。 本で得たものは知識である。何かを知ったからといって厄介なことに巻き込まれないわけではない。しかし、することで心理的な覚悟はできる。インフルエンザはどういうものなのか。どいう種類があるのか。どういう仕組みで、どんな人に、どんな状況で広がっていくのか。感染したらどんなことになるのか。こういったことを「センセーショナルな味付けないし」で淡々と語ってくれればいい。不安を煽ってお金を手にするマスコミ、情報に不備があったことによる責任追及を逃れるための配慮に余念がない役所には、淡々とした解説などを期待するのは無理である。だからこそこの本のような、読む人を配慮した本が必要なのだ。その意味で、この出版社や著者は日本の常識のまともさを表してくれていて、ちょっとうれしい気がした。 |
