世界は分けてもわからない
タイトルに期待して購入したのだけど、これはエッセイ集だったためか、ぼくが求めるような考察は書かれていなかった。世界は分けてもわからない。生科学を極めつつあった人が従来の分析・解析手法の行き詰まりを語るとうようなストーリーならば良かったんだけど。 とはいえ、エッセイは悪くない。それどころか、須賀敦子さんのエッセイを引きながら自分の考察を加え、まして「でもね、須賀さん」などと呼びかけてしまうところがグッとくる。ぼくもそんな風に過去の賢人に話しかけ、質問してみたい。だけど許される雰囲気にない。やっぱり、それなりのことをなした人でないと偉人に話しかけられないような気がするから。 後半部分は、ある科学者のインチキについての物語である。その科学者があれよあれよという間に成果を挙げていくのを横目で見る同僚?視点からかかれている。ぼくは学者の世界にどっぷり浸かった事はなく、またそういった競争にも興味はないからピンと来ないといえば来ないけれど、それでも不思議な場面に立ち会ったような気分になれた。福岡伸一さんはかなり上手な語り手なんだとわかった。 今後も研究の合間にいろいろなものを書いてもらいたいと思っているが、気になるのは調子に乗りすぎて対談などのお気楽な方法に走ってしまうことである。斎藤孝さんや茂木健一郎さんのような方向へは走って欲しくない。 |
