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日本の宗教

村上重良
岩波ジュニア新書
お勧め指数 □□□■■ (3)

 書店で新書コーナーを見ていたら、帯に「待望のリクエスト改版」とあり、それが目に入った。よっぽどよい本なのかなと手にした。触った本には縁があると思うので、ちょっと今月本を買いすぎの感もあるが、我慢して購入した。

 原始から現代までのおおまかな宗教の流れを解説する本だった。対象は「ジュニア」ということだが、中学生向けの感じはない。出版された当時は中学生向けだったのかもしれない。ぼくが中学生だったら読まないだろうから、昔はみんな賢かったのかもしれない(とは本気では思っていないが)。

 読みはじめるとなかなか親切な書き味で、教科書とは全然違っていてよい。解説風の本ではあるが、大学教授が書くような「おれはえいらんだ」的な意図は伝わってこない。著者は歴史が好きだった人なのだろう。

 読み進めるうちに、歴史のイベントというか宗教が盛んになった理由についての考察がないことに気がついた。それは著者の憶測だからだろうか。

 「そうなりました」的な解説は、間違いは少ないのかもしれないが読者の記憶に残らない。何故かを問わない本は内容を記憶にとどめることはできない。だから、読んでも意味がないことになってしまう。ということは、結果的に歴史の教科書と同じになる。自分の記憶力が弱い事を棚に上げて、と言われるかも知れないが、現実的には読んでいないとの同じ結果なのでそう言うのも仕方がないだろう。

 こう考えると、井沢元彦さんの本がいかに強烈なものなのか。驚くと同時に、市井の人向けの教科書としては井沢元彦さんの方がいいだろうということになる。ぼくが読み続けている井沢さんの日本通史は最後まで読もうと決心してしまった。

 この本で良かったところ。それは現代に属する箇所である。戦前・戦後の宗教について「なるほどなぁ」の連発だった。その部分は最後の10ページに収まるから、その部分だけでも立ち読むする価値はあるだろう。