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英語の壁

マーク・ピーターセン
文春新書
お勧め指数 □□□□■ (4)

 マーク・ピーターセンさんの本を続けて読んでいる。英語のちょっとしたことを知るのも面白いけど、日本の不思議なことに気づくのも楽しい。この本でもいろいろ知ったが、英語についてとは関係ない「ブログの普及」についてのコメントが面白かった。

 カラオケが登場した当初、上手な人の歌を仲間はみな聴くようにしていた。普及するにつれ、聴くよりも自分が歌う曲を探すことに夢中になり、他人の歌には最初と終わりに拍手をするだけになった。そして、ついにはカラオケボックスが登場し、たった一人で歌うことが普通のことになった。つまり、歌を聴くという人がいなくなったわけである。そして、これと同じことがブログでも起きている。

 ブログが登場した当初書いている人はすくなかった。エントリーにはそこそこのエッセイがあって人気があった。普通の人がこぞってブログをつけるようになると、多く人のエントリーは他人が読むことに注意が注がれなくなり、「読まれること」が前提とされなくなった記事の割合が増えてきた。そして、多くの人がブログを付けるようになった段階で、読まれることを全く目的としていないものが多く見受けられ、なかには他人のブログの「コピペ」のエントリーすら見かけるようになった。一体何をやっているのかさっぱりとわからなくなったの遷移がカラオケと同じというわけだ。

 こんな内容のことが書かれていて、読んだ時に我が身を振り返ってしまった。面白い英語についての本だけど、こっちのコメントのほうがよっぽど印象的であった。読まれる事を前提としていない文章が増殖したことに、自分も手を貸しているかもしれないから。カラオケボックスで一人で歌う人の楽しさをぼくはさっぱりと理解できないでいるが、こうして読まれないブログを付けているのはカラオケをしている人から見れば「意味がないことをしている」と思われていることだろう。まったく。