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裏切りの流儀

高田純次+茂木健一郎
青山出版社
お勧め指数 □□□□■ (4)

 高田純次さんが好きなので、正直期待をしないけど買ってみた。フォントは大きいし行間は広いしで、なんとも損な感じがする本だけど、仕方ない、と諦めて買った。価格が1000円していないのがせめてもの良心なのだろう。

 一回の対談で、表紙の写真撮影までやったのだろう。実に経済的な出版行為である。茂木健一郎さんにかかれば、売れる本になってしまうのだから驚きである。

 じゃぁ内容が悪かったのかと言われると、ビックリするほど良くはないけど、損したと思うほど悪くもない、というところ。いいなぁと思ったのは「高田純次さんの発言の意外さ」で、表題通り「予想とちょっと違う」ところにあった。その発言には、高田純次さんが役者と生きてきて、役者として考えていたことや、横尾忠則好きのアートについての発言などがあり、いわゆる普通のオジサントークで、ちっとも「インチキさ」がうかがえない。そこが「面白い」わけである。

 ぼくの印象に残った高田純次さんの発言はこういうものだった。

 高田 ただね、結果はどうであっても、とりあえず頂点に向かっていかないとだめだとは思っていたんですよ。事業仕分けの連坊さんが「スーパーコンピューターはどうして世界一位じゃなくちゃいけないんですか」と質問していましたよね。あれ、僕は答えられますよ。「一位を目指さないと二位にはなれないからだよ」って。

 この本に期待していなかったのはホントだけど、こんな一言に出会えたのは拾い物だった。この本の白眉だ。というか、これまで高田純次さんの本で読んだものなかでも白眉なコメントだろう。

 物をつくる人(芝居も含む)がそういうことを当然のごとく言えないって、本気で生きていないことの証明なんじゃないかと思う。ぼくはこれから先いろんなことを提案し行動し続けるつもりだけど、世界一を目指すと必ず言うことにした。だって、その理由は、この高田純次さんの一言に尽くされているもの。勉強になった、ホント。