井沢式新ニッポン風土記
風土記という言葉に魅かれた。その地方の地理、歴史、特産物、人々の性格について、あれこれ書かれた本なのだろうと想像した。著者は井沢元彦さんなので、『街道をゆく』とは違った切り口の考察や発見があるだろうと期待していた。 500ページを越える量で、一応日本全部について語っている。旅雑誌に数年に渡り連載されたものをまとめた本だから、読み切りを束ねて結果的にこのボリュームになったようだが、電車で読むには本が重くてかわない。 ページ数に比例した読みがいがあるのだろうかと問われると、必ずしもイエスとは言えない。というのは、地方すべてを網羅してはいるが、内容の濃さは明らかにまちまちで、どの地方に興味があるかで読みごたえが変わるから。 どの地方もそれなりに歴史はあるのだが、日本史のイベント、それもよく知られたものを中心に語れば、面白い地域、そうでもない地域とがでてくるのは当然である。その場合、地理や特産物などでカバーすればよいのだが、いかんせん著者は日本通史どっぷりの人だからから、日本史を話題したときのようにはいかないようで、重複なども結構見受けらる。そんなことから、結果的にはもうひとつの本になっている。なんだかな。 日本の通史を書くためにいろいろ勉強すると、派生的なものがいろいろでてくるのは確かだ。こうやって、人は物知りになっていくのだろう。 |
