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知に働けば蔵が建つ

内田樹
文春文庫
お勧め指数 □□□□■ (4)

 結局、内田樹さんの文庫本を買い直して読んでしまった。この本で全部である。

 これらは全部単行本で購入し、読んでいる。ところが今こうして読んでみると、内容を結構忘れている。だから面白い。

 電車の中では文庫本の方が楽なので、文庫文を買い直すことは悪い買い物ではない。ただ、少し引っかかりはする。

 この本もブログからトピックを選択し、内容を書き直して本として出版されたものだそうである。いつもの内田樹さんのエッセイ本。

 不思議。どうしてブログのエントリーを寄せ集めて本ができてしまうのだろう。よっぽど元になったブログが本を目指して書かれたものなのだろうか。

 もっともっとエッセイが読みたくて、最近は内田樹さんのブログを読んでいる。

 内容の長さはまちまちで、話題は時事問題から合気道や哲学、文学の話が、そのときの思いつきでとびとびである。章立てなんて、当然あるわけではない。

 ブログは個人が生活のメモをつけるためのもの。だから、内容は薄い。そう思っていた。

 だからこうして出版に堪えられるようなものはあまりない。日本でとてもレアな物書きだということになる。プロであるアマの物書きなのだから。

 内田樹さんのブログを「出版してしまえ」と考えた人は相当の目利きだろう。

 ブログが始まった当時から面白かったのだと思うが、その面白さは口コミで広まったのだろう。

 それが本に。

 そういう出版って、前例がなかったんじゃないか。よく決めた。偉い。そう思う。

 内田樹さんがブログを書きはじめた当時は、出版するなんて意図はなかったはずだ。

 考えた事を言葉にして人に伝える。

 職業意識からでた自然な行動が、ネットワーク環境を利用して実現したわけだ。

 出版のチャンスがないだけで、実に面白い事を書ける人はいるはずなのか。もっといろいろ出てこないものか。

 ではなぜ内田さんしかいないのか。

 結局はお金の問題をどう考えるかだろう。

 内田樹さんは、ブログの内容は自由に使っていいという態度をとっている。だれがコピーして使っても良く、さらには、他人の名前で発表してもいいと宣言している。

 この態度がレアなのだ。

 知に働けば蔵が建つ。

 なるほど。上手な生き方だと思う。