« <わかりやすさ>の勉強法 | メイン | 明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 »

わかりやすく〈伝える〉技術

池上彰
講談社現代新書
お勧め指数 □□□□■ (4)

池上彰さんの本の2冊目。
分かりやすく伝えるとはどういうことか。
これについてのご自身の経験のまとめのノートような本である。
難しい理論などない。

題材は著者の経験のようだ。
なので、この本で考察された伝える技術は、プレゼンというより、現場レポートやテレビでの解説からきている。
どのように記事を書くかならば、新聞記者志望の人ならば覚えがあるだろうし参考文献もいろいろあろう。
しかしどのように現場レポートをするかは、テレビ局のしかるべき仕事についた人でないと知りようがない。
ただし、普通の人がレポーターの仕事をするわけではないが、そこから得た知見には一般性はあるだろう。

ポイントは、レポートする相手は「お茶の間」であるということ。
身を乗り出して聴こうとしている人を相手に説明するのではないこと。
それに、お茶の間の人がみな冴えた頭をもっている人でもないということ。
そういう状態でなにかを伝えるのはもっとも難しいことでもある。
相手と時間を選べないなかで、どうすれば多くの人に納得してもらえるのか。
取材した内容を短時間でインプットできるか。
その考察である。

当然、これは一般でも役に立つだろう。
それがビジネスのプレゼンにそのまま応用できるかどうかはしらないけど。
ところどころに具体的な注意がはいる。
が、一方では心構えを説くところも多い。
なるほどと思わせる部分も多いが、この本の信憑や価値といったものは、池上彰さんを信用するかどうかにかかっているような気がする。
あらゆる本がそうであるように。