原発報道に絞った上杉さんの報道批判かと思って読んだ。
が、半分は記者倶楽部批判であった。
社会にインパクトを与える問題をきちんと取り扱うことができない、あるいは多くの人が認識すらできないでいる。
その根本原因の一つに記者クラブの存在がある。
だから社会の問題のどれを扱っても、すぐにできる「第一歩」は記者クラブの廃止。
それが実現可能な処方箋になる。
今となっては原発処置は簡単ではないし、現に放射性物質が未だに漏れている。
やろうとしてもどうにもならない。
しかし、記者クラブの廃止はできる。
人が決めているルールなのだから。
記者同士の談合をなくせば、「まともな報道」があっというまに実現が可能。
原発報道については今でも問題が多い。
被害状況を小出しにしたり、誰かの失敗を隠そうとすることがつづけられている。
だから今後も被害はより拡大していく。
「社会に不安を与えるから」という理由で統制されている情報が、目に見える形(食品におけるセシウム汚染の海外からの補償要求とか異様なまでのガン発生率とか)になったところで、やがて少しずつ報道されはじめるだろう。
原発事故は地震が発端であったとしても、その後の経過は公害問題と同じ。
水俣病や薬害エイズと同じ。
報道がまともだったら「自分がおかれた状況をまともに理解できる」はずの人々が、むざむざと被害を受けて続け、その数は増えていく。
こういうシナリオに至る不幸の原因と処方のうち、すぐにでもなんとかできること。
それは、記者クラブを廃止であり、まともは報道の活性化ということである。
上杉さんの主張はこういうことに収斂していく。
なるほどなと思う。
これだけ割りやすい論理を言うにもかかわらず、上杉隆さんをテレビで見かけることはほとんどない。
MXTVの夕方だけだろう。
紳助問題を堂々と弁護し、闇権力の利用を肯定するような、「アウト」な司会者小倉のワイドショーみたいのは一杯あるのだが。
ぼくとしては政治報道よりも原発報道とそれにまつわることについて小杉さんに話をしてほしい。
しかし、なかなかチャンスがないでいる。
テレビがだめならラジオがあると思うのだが、それも難しいかもしれない。
電通・博報堂が入っているメディアでは、お笑い芸人さんが自分の意見を表明しただけでも、謹慎や解雇という検閲があるから。
本を読み終わり、ため息をつくしかないでいる。