武田邦彦さんの発言が、原発事故直後から多くの人に届いたらどんなによかっただろうか、と思う。
マスコミでは取り上げられることがない情報をあえて発言してくれている。
一部では「デマ野郎」呼ばわりされていたが、この人は専門だったし、研究者だったし、しかるべき地位にいた人だ。
並の人間の発言よりもよっぽど信頼できる。
マスコミはそんな事すら調べないで語っていたわけだ。
震災直後からいろいろな情報を発信していたが、最近は福島の子供の内部被曝に焦点を当てた本を執筆している。
内部被曝による小児がんの発生は、もう警戒することも防ぐこともできない。
だから、せめて健康管理の継続と被害追求のための記録を取ることを現地の人に勧めている。
そういう啓蒙活動を行なっている。
この本もそういう流れの中にある。
今後の原発について、悲観的な予測はしていない。
しかし、放射能と共にどう生活していくのか、農産物・海産物についてどう国民は対応していけばいいのか。
そのあたりをこの本は説明している。
ペットボトルや温室効果の問題で、政府がどれだけおかしなことをしているのか追求してきた著者、
ここで原発災害という著者の勝手知ったる分野での政府批判がくるとは、著者も考えていなったのではないか。
ずいぶんと絶望した気分になったのではないか。
まぁ、政府がまともな対応を取ることができないということは、さすがに著者でもわかっているだろう。
役人は数年でローテーションするから、素人さんの集団であって、やることは間が抜けている。
それは構造的な問題だってことを著者はわかっている。
だから役人の対応を待つのではなく、先回りしてできることをしたらいい。
小児がんの発生は史上類をみない数になるだろうし、政府は原発との因果関係だって認めるはずはない。
そんなことを期待せず、自分の身を守る方法を考えて、先回りして準備しよう。
そういっているように思えた。